高齢母の、賃貸アパート探し。どのくらいの期間で決めることが出来たのか

田舎の実家じまい

実家の売却・引渡しをわが家は1年足らずで無事終えることが出来ました。

母の新たな住まいの場所を決めるにあたって

母は、実家を引き払った後、長女である自分の家の近く(神奈川県)に住む予定でした。

実は、実家を売却することは、他の身内である妹たちには告げていませんでした。首都圏に住んでいる妹2人が実家に戻る意思もないことは分かっており、売却に反対はしないだろうとは思っていました。ただし売却によって母が得るお金にあれこれ言ってくるのではないかという危惧があったためです。

老後の貯金がほとんどない母にとって、実家の売却によって得られるお金は多額なものではないにせよ、これからの老後生活を維持していくためにも大切なお金でした。

長女の自分は、幸い経済的にも安定しており、母の手にするお金を無心する必要はありませんでした。ただこれから教育費がかかる子どもがおり、母に多額に援助することも出来ないので、なんとかこの売却金額は母に守ってほしいと考えていました。

妹たちは貧しいまではいかないにせよ、正直、貯金もほとんどないだろうなぁと思うような暮らしぶりでした。そのため、母にお金を無心する心配があったため、売りに出していることはずっと隠し、完全に売買契約が完了し、不動産ポータルサイトから販売情報が消えた段階で、妹たちに引っ越すことを伝えることになりました。

売却後報告を受けた妹たちは、予想通り、そのこと自体に全く反対はありませんでした。ただし妹1人は隠されていたことにかなり怒っていました。

不動産の知識も少しはあったので、自分も関わりたかったんだろうと思われます。案の定、売却金額をいくらにしたのか母は問い詰められていました。曖昧に答えていましたが・・・

本来は、家族全員で話し合って進めていった方がいいのだろうけど、お金が絡む話になると身内はなかなか厄介です。わが家は結果、この形で進めて良かったと思っています。

当初は、自分の家の近くに引っ越してくる予定でしたが、引っ越し話を聞き、怒った妹が、都内の自分の家の近くに引っ越してくることを提案してきました。子どもがまだ小さく、母に面倒を見てもらいたいという希望があったためです。

母自身も、一生に一度は東京で住んでみたいというひそかな思いもあったため、この提案に賛同する形になりました。

そのため、新たな住まいは神奈川ではなく、都内で探すことになりました。

なぜ娘と一緒に住むことを選択しなかったのかは、それぞれ住んでいる家・部屋が広くないこと、また母も一人暮らしが長く、娘たちと近居にはなりながらも、自分のペースが保てる生活スタイルを望んだためです。もちろん一緒に暮らせば、その分の費用は浮きますが、そういった事情もあり、母は1人暮らしを選択することになりました。

高齢者の母、賃貸住宅はすぐに見つかるのか?

最近よく、高齢者がアパートを借りようと思っても、入居を断られてしまい困っているという話を聞くようになりました。孤独死で事故物件になってしまったり、認知症を患い、意思疎通が取れなくなってしまうことを大家さんが危惧しているためですね。

母が家を探したのは70歳、まだまだ元気ではありましたが、やはり年齢がネックになるのではと、部屋探しにあたっては懸念していました。

年金暮らしの母は、仕事をしていないので、アパートにいる時間も長くなります。そのため狭いワンルームではなく、キッチンがちゃんとあったりするような物件を探しました。

とはいえ東京、家賃も高く、部屋も狭いものも多く、条件に合う物件は少なかったです。こんな物件を申し込んだり、検討しました。

1軒目 妹の家から至近の物件

1ルームの狭めの物件でしたが、妹の住むマンションから徒歩1分の距離の近さが魅力で、申し込んでみました。

家賃保証会社の審査は通りましたが、大家さんでNGになりました。

他の部屋にも母より高齢の1人暮らしが数人いるとのことで大丈夫だろうと思ったのですが、大家さんがこれ以上高齢者を増やしたくなかったようです。入居者のバランスを考えたいとのことで、ダメになりました。

2軒目 収納多めの広い物件

妹の住む駅から2駅隣の物件。ちなみに1駅間が短い区間の鉄道路線のため、そんなに離れてはいません。

こちらは1DKくらいの物件でした。キッチンと居住空間がきちんと分かれていて、床下収納までついていました。日当たりも良さげ。

部屋的には良かったのですが、申込後の管理会社の対応がダメそうだったので、申し込みを取り消しました。具体的には、申し込んだ後から、いろんな費用追加してきたりといったところです。この先住むにあたって、こういった管理会社の管理する物件に住むのはどうなのかと思い、やめることにしました。

3軒目 見た目は古いが、中が素敵な物件

1Kのアパートでした。部屋がフルリノベーションされていたので、アパートの外見は普通でしたが、部屋の中はすごくきれいでした。システムキッチンつきで、キッチンスペース広め。トイレもウォシュレット完備で風呂トイレも別。

この物件の至近の部屋も一緒に見せてもらいました。こちらのアパートの方が、家賃が高めでしたが、部屋的に母も気に入ったため、こちらに申し込みしました。

家賃保証会社の審査も無事通過。母は仕事をしていなかったため、年金収入の証明の他に、貯金額の提示も求められました。また管理会社からは身元保証人を求められたたため、妹の夫が保証人になりました。

こちらのアパートは、他の部屋にシングルマザー家庭が何軒かありました。シングルマザーも高齢者同様なかなか賃貸物件が見つけにくいようです。そのためこのアパートの大家さんは、社会的弱者にやさしい方なのかなと感じました。または物件が古めなので、そういったことで空室対策を取っているのかもしれません。

妹のマンション最寄り駅からも1駅で、歩いても15分ほど。母の他に高齢者の1人住まいはいないようでした。今回は身内が近くにいるということも入居OKになった理由かもしれません。

高齢者入居によく付帯される、部屋での動きを感知するような安心サービスもつけられることはありませんでした。

結局、そこまで苦労せずに高齢の母はアパートを見つけることが出来ました。

引っ越しは無事に完了

母は実家引渡し後、アパートに引っ越してくるまでの間は、妹のマンションで1ヶ月ほど居候していました。その間に、今回住むアパートを探しました。

なかなか条件に合う部屋は出てこない中では、思ったよりは短い期間で部屋を決めることが出来ました。

母の実家からの荷物の大半は、引っ越し業者に1ヶ月限定で預かってもらっていました。1ヶ月以上は無理と言われていたので、預かり期間内になんとか引っ越し先を見つけ、荷物を搬入してもらいました。

母も友だち・知り合いが娘以外にいないところに、引っ越してくるのはなかなか勇気がいることだったと思います。娘的には、田舎で1人で暮らしている母の今後が気になっていたので、近くに住むようになってくれて良かったと感じています。

これから先、母は今のアパートに住み続けるのか、または家賃負担の少ない都営団地の抽選にチャレンジするのか、施設に入るのか、はたまた娘たちと同居することになるのかはまだ分かりませんが、離れたところに住む母に何かあった時の心配をする必要はなくなりました。

母も、娘たちが近くにいる安心感はあるのではないかと思っています。まだまだ元気なうちは、いろんな新しい体験が出来るのでは? 

母が実家の売却を考え出してから、東京のアパートに引っ越してくるまで1年もかかりませんでした。あっという間の出来事でしたが、いろいろ勉強にもなり、よい経験になりました。

高齢化社会が進む日本で、田舎の実家の空き家問題が言われるようになっています。田舎の親・実家に関し、こんな選択肢があるという参考になれば幸いです。

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