【相続登記体験談】父が亡くなった後、実家の名義を母に変更する

田舎の実家じまい

これは長野にある実家を、売却するまでの経緯を綴ったものです。

今をさかのぼること2018年、父が亡くなったことから、この話は始まります。

2018年、父が亡くなる

父が肺がんにかかり1年、手術・治療の甲斐なく、2018年に69歳で亡くなりました。

がんが発覚するまで、定年前からいた会社で仕事を続けており、健康問題も全くなかった父でした。そのため、69歳という若さで亡くなったことは母を含む私たち家族にとっては想定外でした。

父より3歳若い母は、当時66歳でした。

亡くなった後、遺産の確認

土地・家とも、全て亡くなった父の名義になっていました。住宅ローンはすでに完済済み。

この土地・家以外には、大きな資産はありませんでしたし、幸い借金もありませんでした。

父は、肺がんが分かり、手術を受けることになった当時、亡くなる1年前ではありましたが自筆の遺言書いごんしょを残していました。

内容的には、家・土地その他もろもろの財産は、夫婦で築き上げてきたものだから、母に全て譲るというものでした。

相続人は、配偶者である母以外には、娘3人。

遺産相続の方法は、相続者間の協議でも決めることが出来ますが、わが家は姉妹間の関係などの諸事情から、父の自筆遺言書を利用して、相続登記を進めることに決めました。

母に土地・家の名義を移す手続き

自筆の遺言書を、公式な遺言書にするために、家庭裁判所で検認してもらう手続きを取りました。

手続きにあたっては、父が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本を入手する必要がありました。

父は岐阜で出生後、仕事の都合で長野にやって来て、引っ越しを経て、現在の家にたどり着いていました。

本籍をその度に変更していれば、戸籍謄本は変更した全ての自治体に請求する必要があります。幸い、父は岐阜の出生地から、現在の家までは1回しか、本籍を変更していませんでした。

そのため、戸籍謄本の請求は2つの自治体で済ませることが出来ました。

これが、頻繁に本籍を変更していたりすると、辿る手間が増えてきます。すでに何回か本籍地を変更している自分は、自身が亡くなった後、遺された人の手間が増えることを始めて知りました。

遠方の岐阜の自治体には、郵送で書類の請求を行いました。手数料は定額小為替を請求書類と同封しました。2週間もかからず、必要な書類は入手できました。

裁判所の検認手続きは、必要書類を元に、母に必要な手続きをやってもらいました。実家は遠方で、自分は仕事もしていたため、頻繁に帰省することは出来ませんでした。

そのため必要な手続きは、娘の自分が遠隔の母に指示する形で、裁判所での検認手続きまで完了させました。

司法書士事務所に土地・建物の移転登記を依頼

すべての書類が整った後、司法書士の方に所有権移転登記の手続きをお願いしました。

この手続きも、自分でやろうと思えばできます。

たださすがに間違いがあってはいけないので、ここはプロの方の力を借りました。

依頼する司法書士事務所は、実家(長野県)の所在地である必要はありません。

自分の家(神奈川県)の近くの司法書士事務所をネットで探し、母の代わりに訪問して、依頼する形を取りました。

父が亡くなってから約2ヶ月半後、無事に移転登記が完了し、土地・家は母の名義になりました。

亡くなってから、自身は1度も実家に帰ることなく、手続きは済ませることが出来ました。

まとめ

ほとんどの方にとって、こういったことは一生に何回もあることではありません。

わが家も当然初めての経験で、父が亡くなった後、ばたばたと仕事の合間に手続きを行いました。母には本人手続きが必要なことだけ、遠隔で指示を行いました。頼りなかったので。

頼ったのは、ほぼネット検索で得られる知識でした。ただ合っているかを確認する相手もいなかったので、手探りで進めていくような形でした。基本的な情報は書籍から入手しました。

これら一連の手続きは、司法書士の方に全てお願いすることも出来ます。税金のことが気になる場合、事前に税理士に相談した方がよいでしょう。

時間がない方、調べるのが面倒な方にはこの方がいいと感じますが、当然費用はかかってきます。

わが家は、相続する財産が少なく、内容も複雑ではなかったので、少しでも費用を節約するために、自分たちで出来る限り手続きする形を取りました。

父が亡くなった直後に相続登記をしておいてよかったと思ったのは、その数年後、実家を売却することに決めた時です。母に登記が変更済みだったので、すぐに売却に取り掛かることが出来ました。

相続登記をした際は、5年後に実家を売却することになることまでは考えていませんでした。

2024年からは相続登記が義務化されるようです。後々のことを考えると、やはり早めに対応しておいて損はないと感じます。

田舎の実家・親をどうしようと考えている方の、参考になればと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました