岸田首相の「育休中にリスキリング(学び直し)」発言に批判が殺到しているらしい。
このニュースを見ると、分かるような分からないような両方の気持ちがする。それは、自分が育休を取得した際の経験に基づいている。
30代半ばに、約1年間の産休・育休を取得した。
これまでの人生、そんなに長い間、仕事を休むことなくずっと働き続けてきていた。そのため、育休を取る時は、自分が社会から置いて行かれるのではないかという不安があった。
そんな不安を埋めるために、日経新聞の定期購読を始めてみたりした。でも産後1ヶ月間は新聞に全く目を通していなかった。ページをめくることさえなかった。
1日中、ずっと家にいたはずなのに。
1日何していたのかは説明出来ないが、とにかく時間がなかった。読む気にもなれなかったのかもしれない。それくらい体力・気力を消耗した産後1ヶ月だった。育児以外のことは何も出来なかった。
産後3か月くらいを過ぎると、大人との会話を渇望するようになっていた。
子どもと1日中家に一緒にいたので、そんな精神状感になっていた。社会との関りを再び意識するようになったのもこの頃だったと思う。
正直、会社行って仕事している方が、子どもの世話をしているより楽だし、会社の人たちと会話できるから気分が紛れると思っていたし、今でも思っている。
早生まれの子どもだったので、ほぼ1年育休を取ることになった。
育休復帰を早めることも考えたが、当時4月入園でなければ保育園の空きはなかった。
その後、何もせずにいられない自分は、オンラインのビジネススクールを1年間受講した。自宅で勉強出来るので、子どもがいても受講が可能だった。
土日の休みに、夫に子どもを見てもらいながら勉強したりしていた。
これが今、政府が育休女性にやらせようとしているリスキリングってやつだったのかもしれない。
あの頃の自分は、何かしなくてはという焦りに似た気持ちでいっぱいだった。復帰後に自分のポジションがなくなるんじゃないかという不安があったりしたんだと思う。
でも、今考えると、あの時期にあえてそこまで勉強する必要あったのかなとも思ったりはする。
子どもを夫に見てもらったにしても、もっとゆったりした過ごし方してもよかったのかなぁと。
でも、その頃の自分の気持ち的には、やりたいと思っていたし、いい学びが出来たとも思う。
今、これから育休を取る人たちの中にも、私のような気持ちになる人がいると思うし、そういう人たちは、リスキリングに対しての支援があれば、学びやすくなったりはするのかなとも思う。
ただ、その一方で、せっかくの育休期間、もっと自分自身を労わったり、子ども・家族と過ごす時間を大事にする過ごしたいと思う人たちもいると思う。そんな人たちにまで、強制的にリスキリングしてもらうというのは、なんだか違うのではないかと感じている。
なので、誰でもリスキリング必要でしょ、やってね、というのは違うと思うが、やりたいと感じている人も一方ではいたりすると思うので、選択肢としてはあってもいいと感じる。
自分が子どもが生まれる前は、育児のことを何も知らず、育休は休みだと思っていた。でも、実際は休みではなかった。育児はほんとに一大仕事で、正直1人で十分だと自分は思ってしまい、一人っ子に落ち着いた。
この発言した人が育児のことどれくらい知っているかは、不明だけど、少子化対策の1つとしての育休中のリスキリング提案なのだとしたら、それは違うような気がした。
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